
相続マーケティング研究所 むねお所長こと、
株式会社ライブリッジ 代表の川口宗治です。
「人の心の痛み」と向き合う相続コンサルタントへ贈る一冊
今日は、私が再読するたびに
「人としてどう在るべきか」
「相続コンサルタントという仕事の本質とは何か」
について深く考えさせられる一冊、
さだまさし著『風に立つライオン』をご紹介したいと思います。
『風に立つライオン』は、有名な音楽家・さだまさし先生による小説です。
ご存知の方も多いと思いますが、さだまさし先生は 素晴らしい楽曲だけではなく、小説も何作か発表しています。
(むねお所長はさだまさしさんが大好きで、 さだまさしさんのことをいつも「さだまさし先生」と呼んでしまいます)
小説『風に立つライオン』は、 俳優・大沢たかおさんがさだまさしさんの同名の楽曲に深く感動し、
「この曲を小説と映画にしてほしい」と熱望したことから誕生しました。
その想いが実を結び、小説化と映画化の両方が実現したという、まさに“想いが形になった”作品です。
さだまさしさんの名曲・風に立つライオンの歌詞付きの動画を貼っておきます。
小説『風に立つライオン』は、
戦地の医師・航一郎が命や人間の尊厳と向き合う姿を描いた感動作です。
壮絶な現実の中で、人としての優しさと覚悟を問いかけるストーリーが心を打ちます。
読み終えた後、きっと「生き方」について深く考えたくなる一冊です。
今日の記事では、 むねお所長が大好きな小説『風に立つライオン』についてご紹介します。
「誰かのせいにしなきゃ耐えられない悲しみ」ってあるんだよ

主人公・航一郎が物語の中で語る、忘れられない言葉があります。
「誰かのせいにしなきゃ耐えられない悲しみってものがあるんだよ…」
この一言を読んだ瞬間、胸を締め付けられるような気持ちになりました。
相続の現場でも、まさにこういう場面にたくさん出会います。
「あの時、あんなことを言わなければ…」
「もっと早く話していれば…」
「どうして兄はわかってくれなかったんだ…」
相続は、単なる資産の分配ではありません。
それは、ときに人生の後悔や家族の断絶、そして癒えない悲しみを伴う“感情の交差点”なのです。
そこに立ち会う私たち相続コンサルタントは、
「正しさ」や「正解」だけで押し切ってはいけない と思うんです。
悲しみに寄り添い、怒りの根っこを見つめ、
そしてそれでもクライアントとその家族が前を向けるよう、静かに支える力が 私たちには求められているのだと思っています。
「ここは戦場。有事なんだ」

もうひとつ、強烈に心に残った言葉があります。
「ここは戦場。有事なんだ。法律じゃ人が守れない場所。ここはそういう現場だ。」
このセリフは、航一郎が勤務していたアフリカの戦傷病院で正論を振りかざしたある若い同僚に対して放った一言です。
命の瀬戸際にいる人を目の前にして、法律論を持ち出した若者に、
静かだけれど本気で怒りをぶつけた場面でした。
この言葉を目にしたとき、私は思わず自分がこれまで立ち会ってきた
家族会議や相続相談の場面を思い出しました。
たとえば――
兄弟の間に深く刻まれたわだかまり。
介護や同居にまつわる感情的なしこり。
遺言書が火種になりそうな不安。
それらはすべて「法的に正しいかどうか」だけでは解決しません。
いや、むしろ「法的に正しいこと」が、時に家族の絆を壊してしまうことすらある。
だからこそ、私たちは知識を武器にするのではなく、
“知識を土台に、信頼と共感の橋を架ける”ことが大切なのです。
航一郎が言う「法律じゃ守れない場所」。
相続の現場もまた、そのひとつではないでしょうか。
「痛みとともに歩む力」が必要な仕事

『風に立つライオン』は、単なる医療小説でもなければ、戦地のレポートでもありません。
それは「人間の痛み」に真正面から向き合いながら、
それでも希望を失わずに生きる人の物語です。
相続コンサルタントという仕事においても、
私たちはクライアントの「痛み」と出会い続けます。
ときに、心の深いところで揺れる悲しみ。
ときに、どうにもできなかった時間への後悔。
私たちは、それを「聞く」ことしかできないかもしれません。
でも、「聞く」ことが救いになる瞬間があるんですよね。
「聞いてくれる誰か」がいることが、光になることが、きっとある。
そんな信念こそが、相続コンサルタントにとって一番大切な“覚悟”なのではないかと、
私は思うのです。
最後に:「仕事の原点」としてそばに置きたい一冊
『風に立つライオン』は、読み終えた後に胸が熱くなる本です。
でもそれと同時に、「自分はどう生きるか」と問いを投げかけてくれる一冊でもあります。
- クライアントの話を、どこまで真剣に聴けているか。
- 正しさではなく、納得感と合意形成にいかに関わるか。
- 人の痛みに、どれだけ“感情”をもって向き合えているか。
こんなことを考えさせてくれる、大切な本です。
これからも常に書棚に置いていきたいと思っています。
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