相続マーケティング研究所 むねお所長こと、
株式会社ライブリッジ 代表の川口宗治です。
数日前のこと。
朝9時過ぎにあるクライアントから一本の電話が入りました。
そのクライアントは40代女性、K子さん。
2014年に遺言作成の支援を中心とした相続コンサルティングのサポートをした70代男性・M男さんの娘さんです。
随分と久しぶりのお電話でした。
懐かしい気持ちと同時に、一抹の不安を感じつつ、電話を取りました。
「K子さん、ご無沙汰しています。お元気ですか?今日はどうされましたか?」
というむねお所長の問いかけに、K子さんからの返答はまさに私が危惧していた通りのものでした。
「今朝、父が亡くなりました・・・
父のいる病院に向かって車で移動中なんですが、
どうしていいかわからず、川口さんを頼って電話してしまいました・・・」
10年前の相続コンサルティングのクライアント
K子さんと私のお付き合いは10年前に遡ります。
お父さまのM男さん(当時70代)が遺言書について相談したい、ということで、
K子さんを通じてお父さまにお会いしました。
お父さまのM男さんは思うところがあり、遺言書を書きたいと思っている、ということで、
まずは詳細に現状をヒアリング。
相続コンサルティング契約を結んでいただき、遺言書の作成をサポートしました。
70代のM男さんは初めてお会いした時からとても私を気に入ってくれ、可愛がって下さりました。
そして、
「相続コンサルタントって職業は初めて聞いたけど、川口さんはいい仕事してるね。
これからも応援するよ」
と言ってくださいました。
遺言書の作成までを滞りなくサポートし、
「これでもう安心だ。
これからもよろしく頼むよ、川口さん」
と言っていただいたMさんの笑顔を、むねお所長は今もよく覚えています。
困ったことあったら川口さんを頼りなさい
月日は流れて2024年10月。
10年前に遺言作成のサポートをしたM男さんが亡くなったことを、娘さんのK子さんからの電話で知りました。
聞くところによると、お元気だったお父さまのM男さんにガンが見つかり、
思った以上に急激に病状が悪化してしまったそうです。
娘であるK子さんも含めて、ご家族は皆さん心の準備がつかないままM男さんとお別れすることになりました。
私が第一報を受けた時の電話の向こうで、大きな声で泣いていたK子さんの様子から、
突然の事実を受け入れられないと感じていることが伝わってきました。
そして
「突然のことで家族みんなどうしていいかわからなくって・・・
父が生前、ずっと言っていたんです。
『困ったことがあったら川口さんを頼りなさい』って。
だから川口さんを頼ってしまいました・・・
お忙しいの急に電話してごめんなさい」
相続対策のクライアントは相続発生後も頼りにしてくれる
「困ったことがあったら川口さんを頼りなさい」
とお父さまのM男さんが生前常々ご家族に話していたというこの言葉を聞いて、
私は胸が熱くなりました。
M男さんとは長くお会いしていませんでしたが、
そんな風に思ってくれていたなんて・・・
娘のK子さんの言葉はこう続きます。
「お通夜や葬儀の準備はこれからです。
落ち着いたらまた連絡していいですか?
いろんな手続きがあると思うんですが、何が何だかわからなくて・・・」
私はこう答えました。
「もちろんです。
急なことでご不安だらけだと思いますが、
わからないことはなんでもご質問ください。
必要に応じて然るべき専門家とともにサポートしますので。
まずは今は一刻も早くお父さまのそばに行って、手を握ってあげてくださいね」
生前の相続対策のサポートでお付き合いのあったクライアントは、
相続が発生した時も必ず私たちを頼ってくれます。
そしてその次の相続の準備も、私たちがずっとその一家の相続ごとのサポートを続けていくのです。
相続コンサルタントの仕事の本質
相続コンサルタントという仕事の役割、責任、やりがい・・・
この経験は私に様々なことを教えてくれました。
間違いなく、相続コンサルタントという仕事は社会に求められており、
これからますます
「相続コンサルタント」
という存在の重要性を多くの人が知ることになるでしょう。
胸が熱くなったと同時に、背筋が伸びる気持ちにさせていただく体験でした。
※この記事は2023年10月の記事を2024年版にリライトしたものです。