クライアントは言語化が苦手

相続マーケティング研究所 むねお所長こと、
株式会社ライブリッジ 代表の川口宗治です。
相続に関して困りごとを感じている人は、年々増えています。
あなたの元にも相続相談に来る人がいるのではないでしょうか?
そんなあなたにお聞きします。
相続相談を受ける時に
一番やってはいけないミスを知っていますか?
それは、
クライアントの質問に一問一答で答えること
なのです。
今日は一問一答の相続相談をやってはいけない理由についてお話しします。

一問一答の相続相談がNGな理由

例えば、初めて会う方から
「今日は相続税の事について相談に来ました。
どのくらいの相続税がかかりそうか、計算方法を知りたいと思いまして」
と言う内容の相談があったとします。
その時に、
「わかりました、それでは相続税の計算方法についてお伝えしますね。」
と、(税理士法違反にならないように注意しながら)相続税の計算方法をお伝えする。
というのは、
相続の仕事をしているとよくある光景ですよね。
あるいは、
「数年前に亡くなった父名義のままの不動産、まだ名義変更していないんですけれども、
どうすればいいですか?」
という質問に対して、
「それだったら腕利きの司法書士さんを紹介しますよ」
ということもよくあることでしょう。
これらは、私が言うところの、
「一問一答」
に当たります。
つまりこれ、あまりよくない相談の受け方なんです。
え?
とても親切な対応じゃないの?
そう思いますよね。
でもこれ、あまり良くない対応なんです。
なぜ親切に見えるこの対応がダメなのでしょうか?

クライアントは言語化が苦手

人は皆自分の心の中を全て理解しているのでしょうか?
幸か不幸か、決してそんな事は無いのが人間です。
「何となくモヤモヤしている」
「これが気になるんだよね」
というのはその人の心の中の確固たる心情ではあるのですが、
それはその人の心の中の一部ではあっても全てではありません。
相続コンサルタントとして相続の相談を受ける際には、
「クライアントは自分の心の悩みを全て把握しているわけではない」
「自分の問題点について明確に言語化できている人はいない」
このような前提で相続相談に臨みましょう。
こういう前提があったならば、
「相続税のことが心配」
というクライアントの相談に対して、
その人の背景をより広くより深く知ってから答えることが必要だ、
ということが理解できるでしょう。
すると我々の対応としては、
「相続税の計算方法をお伝えします」
ではなく、
「税理士にお繋ぎしますね」
でもなく、
「相続税がご心配なのですね、わかりました。
よろしければなぜ相続税のことが心配になったのか、
もう少し深く聞かせていただけませんか?」
が正解です。
クライアントの口から発せられる言葉以外にも、
クリアしなければいけない問題が必ずある。
クライアント自身も気づいていない何か大切なことを、
この時間で一緒に突き詰めて行かなければいけない。
あなたが相続コンサルタントとしてクライアントに貢献したいならば、
このような姿勢で相続相談に臨んでください。

まとめ

人は皆、言語化が苦手です。
あなたも私も、みんな自分のことを完全に言語化できている人はいないんです。
クライアントも同様です。
クライアントが相談する際に口から出している不安は、
クライアントの心の悩みのあくまでも一部分でしかありません。
私たち相続コンサルタントは、クライアントの心の奥底にある、
クライアント自身も気づいていない
「本当の悩み」
にアクセスする伴走者である。
このことを忘れずに相続相談を受けてくださいね。

この記事を書いた人

川口 宗治

川口 宗治

株式会社ライブリッジ代表取締役。
1973年富山県生まれ。
25歳から39歳まで14年間外資系生命保険会社で
セールスとマネジメントに携わる。
2013年、40歳で独立し、ライブリッジ開業。
現在は「相続マーケティング研究所 むねお所長」
として相続ビジネスで成果をあげたい事業者に、
じわじわと確実に効果の上がる各種プログラムを提供している。
特に社員5人未満のスモールビジネスの方へのサポートが得意。
18歳からアメフトを始め、44歳までの27年間現役を続行。
趣味は焚火、スキンケア、カメラ。好きな飲み物はwhisky。